コラム

卵巣摘出後に尿閉になるも鍼治療で回復

2015年12月12日

8歳ラブラドールレドリバー体重30kg

エコーにて下腹部(子宮?膣上部)に大きな腫瘍が見つかり4月28日に摘出手術を受ける。その際、子宮・卵巣も摘出(不妊手術)を行う。直後から尿失禁が始まり、その後尿閉。

1ヶ月ほど入院し、6月中旬に「麻布大学」、「日本獣医生命科学大学」の大学付属動物病院を受診。そこでの診断は、カテーテルを尿道(膀胱の手前まで)に入れると排尿があった等のことから「下腹神経の末梢部分の異常または何らかの物理的な原因で尿道周囲の筋緊張が解けないため」とのことではないか?との見解。神経の場合、修復はおよそ3?6月かかるので、そこで治るかもしれないと言われた。

治療を継続するも3ヶ月間変化なし。週の半分は朝晩、尿道にカテーテルを通しオシッコを抜く。後半はバルーンカテーテルを膀胱に留置しオシッコを出しっぱなしの状態にし、膀胱の機能回復・維持を行う治療の継続。散歩中、おしっこの姿勢で力むも、おしっこは全く出ないし排便も少しずつしか出せない状態。

大学病院では難しい症例と言われ、あるところで「鍼治療」を受けると治療直後からお散歩中にポタポタ程度出るようになったそうだが、飼い主さんの希望としては以前のように勢いよく出るようにまで回復してほしいとうのことで来院の予約が入る。

診察前に行った前医との検討

通常子宮や直腸の手術後に発現する排尿困難は、神経因性膀胱の低緊張性膀胱を疑います。同時に溢流性尿失禁を伴うことが多い。中枢性のものなら、上記に合わせて利尿筋外尿道括約筋協調不全を疑いますが。他にも、排尿するには力んで腹圧を高める必要がありますので、その辺の筋肉の麻痺も考えられるし、膀胱排尿筋の機能障害ってことで、それも否定できない?

手術直後は溢流性尿失禁があったようですが、今はこの子の場合、外から刺激してあげても、絞ろうとしても大きく太っているせいか出ないようです。膀胱がパンパンになってもほとんど出ないから、尿毒症になるか、腹腔内で膀胱が弾けるといけないのでカテーテルで強制的に排尿させているようです。

手術によって切断された細かい神経の支配していた筋肉に麻痺がおこって腹腔内の臓器や筋肉をリフトアップしていた機能が損なわれて下垂し尿道を圧迫しているということは考えられないか?膀胱周辺の筋肉が傷つけられて過緊張を起こしているのか?
原因は推測の域を出ないが、とにかく支配領域の脊髄神経刺激と下腹部のツボを使って膀胱周囲に刺激を与えるべく治療を試みてみようと思う。

第一回目の治療風景

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治療中 気持ち良さそうに目をつぶって横になっている。腹部触診により筋緊張が見受けられる部位と1?4リョウ、陰ユ(会陰)への刺鍼後、超音波治療。結果はとてもよく尿量が治療を行うごとに増えていっている。

  2015年12月12日 15:33:33  [admin]

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