患犬募集<12月4日(月)>

鹿児島で開業されている動物病院の獣医師が担当されます。
患犬ボランティアの皆さんには午後からお出でいただきます。
定員は6~7頭になりますのでご希望の飼い主さんはお早めにお申し出ください。

日本動物鍼灸治療研究会公式LINEアカウント
友だち登録で研修会日程等のお知らせ情報を受信できます。

漢方薬について

漢方薬(中薬)とは、中医学の理論に従って人体の陰陽を調和させ均衡を整えることを目的として処方されます。つまり熱証であれば陽の気が過ぎた状態なので陰性の寒涼薬を用い、逆に陰性の寒証であれば陽性の温熱薬を用いて治療します。つまり病気というのは気の過不足によって生じるとされているからです。

中国最古の薬物書である『神農本草経』がありますが、これを編纂した神農は4~5千年前に存在した神とされており野山に自生する雑草などの草木を片っ端から嘗めて調べたと言い伝えられています。おそらく毒物もあったでしょうし何人もの神がいて集積され、このような偉業を成し遂げられたものと思います。

他にも漢方薬が掲載されている書物としては『黄帝内経』『傷寒雑病論』『傷寒論』『金匱要略』などがあり、東洋医学の理論体系を築いているものとして四書五経があります。つまり『論語』『大学』『中庸』『孟子』の四書と『易経』『詩経』『書経』『礼記』『春秋』の五経です。日本には600年(推古8年)ごろから遣隋使、遣唐使などによって中国医学が入ってきます。その後「中薬」を用いる中医学と日本独自の「漢方薬」と呼ばれる漢方医学の2つの考え方が存在するようになります。また現代の日本に於いては西洋薬の処方と同じように漢方薬を病名や症状だけに従って処方するやり方や漢方の生薬由来の漢方サプリなどといった民間薬のようなものまであります。

漢方薬は方剤組成という考え方を原則としています。陰陽・五行・相生相克・表裏・寒熱などの理論をもとにバランスのとれた中庸の状態になるように寒・熱・温・涼の四気をみて酸・苦・甘・辛・鹹の五味を用い君・臣・佐・使の原理に従って生薬を組み合わせて用います。

・・・このコラムは気が向いた時に書き連ねていますので途中で途切れます・・・

患犬募集中

獣医師研修の患犬ボラインティアを募集しております。

動物病院に勤務ないしは経営されている経験豊富な獣医師が担当し診断と同時に鍼治療を行います。
治療費はいただきません。ご協力お願いいたします。

お役立ちLinks

情報収集

メーリングリストやメールマガジン、講習会情報などをご紹介します。
入会・参加資格などがある場合もあるのでご確認願います。

学会・他

アキュスタによる動物への鍼

厚生労働省承認医療機器アキュスタ(連続式刺鍼器)を使ったビジョナリーアーツ講師で獣医師の鈴木綾香先生による治療の様子通常の鍼と鍼管を使った方法に比べて短時間で容易に刺入操作が行えますが、刺入時の音が大きくて患犬(猫など)が驚いてしまうとか、これに慣れてしまい通常の鍼刺入テクニックが劣ってしまうなどのデメリットもあるかもしれません。あらゆるケースに対応できるようになるためには刺鍼技術を磨いた上で、こういった道具を活用するようにするといいのではないかと思います。 

クリーンニードルテクニック

鍼を刺入する際に旧来の方法では指で直接鍼を支持する必要があります。
この直接刺入する部位に触れるということに抵抗を感じる方も多いかもしれません。注射針などでは直接触れることはありませんし。
よって、従来の方法を採用するなら十分な消毒を行ったうえでということが前提になりますが、感染リスクを減らす意味でこのような方法もあるということでご提案しているのがセイリン社製の鍼を使ったテクニックです。
こちらに具体的な方法を公開しています。よかったらお試しください。

獣医鍼灸学の歴史

以前フェイスブック会議室に書き込んだ内容をこちらへ
少し我が国における獣医学の歴史を振り返ってみたいと思います。
西洋の近代獣医学が導入されたのは、明治5年からになります。それ以前は主に家畜とか、戦国時代だったら武将などの愛馬を診る鍼灸や漢方薬を扱う医者(鍼灸師)が活躍していました。
江戸時代から続いている当家の先代達からは、昔は動物にもヒトにも同じように鍼灸をしていたと伝え聞いております。
その辺の話がこちらに一部載っていますので参照ください。
全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 48 (1998) No. 3 P 264-266
『獣医針灸学領域から』岐阜大学農学部 工藤忠明
J-STAGEよりダウンロード<<こちらから>>
当家は明治39年に就職訓練施設「清聚学院」を設立して多くの生徒を世に輩出してきました。当時の鍼灸や按摩は盲人の特権的な職業でしたから、今でいう盲学校にあたります。そして今、私は盲人ではなく獣医師に鍼灸を教えています。獣医鍼灸というのを継承していくことが重要と思うからです。

症例報告

1回の治療で歩行が改善!
 飼い主さんびっくり

アクセルくん1週間後2回目の治療風景(2008.8.27[Wed])
この子も後ろ脚が完全に麻痺してました。
前はとても力があり、寝台のベルトを外してしまうほどで、後ろを引きずりながら走ってしまう困った子です。
皮が擦り剥けて巻いてあるサポーターが痛々しかった。
それが、治療直後から歩き方の改善が見られ、(たぶん)鍼治療に半信半疑だった飼い主さんビックリ。
治療風景の記念写真を持参したカメラで撮影されてました。ということで、こちらにもお願いして掲載。最初の麻痺していた頃の写真を撮っておくべきだった。
最近は治癒するのが当たり前のようなってきているので、症例を正確に集めていない。横着を後悔している。

術後残った麻痺が10回でほぼ改善

2008年8月19日下半身の麻痺はほぼとれたマルクちゃん。今日は8.26[Tue]治療後駐車場を四本の足で走りまわっている姿を見て、、少々勢いに欠けるから・・・後は筋トレかな?の一言。筋肉のツキがイマイチなので。写真左に写っているのは飼い主さん、まん中は東京から来られた獣医さん、右が千田先生

初回の治療後にナックリングが消失

この子はパティーちゃんです。船橋の鍼灸に興味のある動物病院の先生から御紹介いただいてお見えになりました。
(2007.12.8[Sat])シーズー♀ 6.1Kg 14歳
2007年11月19日に発症し前肢の障害で跛行を呈しているということで病院に。
左前肢の固有知覚反射の減衰とナックリングが認められた。高齢を配慮(白内障でもある)して鍼灸治療を行ってみたらどうかという獣医師のアドバスで紹介状を持って来院。
初診 担当は獣医師:千田先生麻痺のみられる神経の出口(脊椎左胸部)と左前肢の関節部分にあるツボを狙って0.2×40mmの鍼を用い1cmほど刺入し低周波通電2Hzを15分行う。その後超音波を断続的に30%の強度で5分かける。直後よりナックリングが無くなり、両足を付いて患側をややかばいながらも歩行できるようになる。
4日後 再来院された時には左右の見分けがつかない程に回復しており、日常生活でも動作に左右差は見られないとのこと。一応前回と同じ治療を行う。1週間後 念のため戻りが無いことを確認するために来ていただくが、悪い変化は無く正常のまま。完治ということで治療は終了。

超音波の治療も有効

鍼治療の後に超音波で治療しています。最大で6cm位音波振動が入り、深い患部を刺激することで回復が早まります。人間と違って熱いとか痛いとか、はっきり言ってくれないので強さは気を使いますが、わりと簡単で有効な方法です。温灸みたいに煙がたくさん出ることもなく、治療室も汚れません。この写真は獣医師の芝田先生が鍼灸院で治療を行っているところ。

下半身(後肢)麻痺のMDが3回の治療で筋力が復活

柏市からみえたミニチュアダックスフントのあんずちゃん先月24日頃から突然始まった左後ろ足の麻痺。頭を下に下げバランスをとって下半身を持ち上げるようにして前足だけで歩こうとする。動物病院に現在も通院中でステロイドの注射とビタミンの投与。またレントゲン検査で胸椎の12、13に異常が見受けられるとのことでここにレーザー治療。5日前にステロイドが切れると症状が酷くなったとのこと。治療をするも効果がみられず当院をインターネットで調べて来院。千田獣医師が診断を行い治療にあたる。内容はC12、13間、L6、7間の傍ら、およびに左下肢に刺鍼し1,5Hzh12分の鍼通電と超音波治療を行う。1診目(12月19日)直後よりナックリングが無くなり知覚反射が出てくる。2診目(同月22日)前回帰宅してから普通に歩くようになり、今まで振っていなかったシッポを激しく動かすようになったとのこと。治療は前回と同様に行う。診目(同月26日)左麻痺側(下肢)の萎縮して失われていた筋肉がほぼ元通りに回復し足が太って力強く歩けるようになっていた。治療は前回から胸椎を除いた部位のみの合計6本刺鍼。調子がいいので少し間を空けて様子をみることにした。

フラつきの改善に鍼は効果的か?

香港の方からこちらのWebを見て鍼治療を受けてみる気になって、その結果について不安があったのでアドバイスをいただきたいと電話がありました。
十分なお話が出来ませんでしたので、ここで補足をしておきます。

14歳、4.1Kgのプードル♀ 先週フラフラとして様子がおかしい
動物病院で治療(注射のみ)を受けるもあまり変化がみられなかったということで15分間の鍼治療を受ける。自宅に帰ってからもふらつきは改善されず、かえって悪化したようにも思える。どうしたらいいか?
地元の獣医師とのコミニケーションがうまくとれないので相談したいということで海外からの問い合わせでした。受けた鍼の内容についてお聞きしたところ、頚部から背部にかけての刺鍼だったようで、ふらつきの悪化は首の鍼によってではないか?といった不安があったので、それに対する説明をさせていただきます。しかしながら実際の治療を拝見しているわけではないので、あくまでも推測の仮定でのお答えということを前提にお願いいたします。

Q. ふらつきで頚部に鍼をすることはよくあるのか?
あります。ここには人間でいうと天柱・風池といった眩暈などに使われるツボがあり、頚部の筋緊張による脳貧血のような状態が引き起こされてふらつきが起こる場合もあり、この部分の緊張を取るのによく使います。また、ここは重要な部分でストレスを受けることでヒトでもそうですが、首をすくめる行動を自然にとるので、ここの筋肉が硬くなりやすく痛みを発生します。
それに関連した諸症状が起こりますので精神的な疾患や運動障害など幅広い疾患に有効です。このことは日本獣医生命科学大学の鷲巣誠先生も『術後の針による疼痛・機能障害の管理』で述べておられます。その部分を引用すると、(以下論文から)
ドーベルマンなどに発生するウエブラー症候群に対する針治療が奏効する場合がある。多くの場合動物はストレスを受けており、頚部筋肉に極度の緊張状態が生じている。大椎、大杼、その他の反応する穴に針治療を施すと筋の緊張が取れて頚椎の痛みが緩和し<<歩行可能な状態>>になってくる。

Q. 治療後悪化したように見えるが大丈夫か?
治療に立ち会ったわけではないのでよくわかりませんが、鍼治療にはメンゲン現象またはコウテイ反応などと呼ばれる一時的な逆の反応(改善に対する悪化)が現れることもあります。刺激をし、鍼による組織の損傷など各種ストレスを加えますし、悪い部分を鍼で直接刺激することで一時的に症状が悪化することはよくあることです。これはヒトでも同様に起こり、大概は一晩寝れば次の日には好転しています。ですから、次の日同じような状態が続き症状の改善がみられなければ直接担当の獣医さんに相談してみてください。

★上実下虚
東洋医学的には気が上昇すると眩暈がおこるとされております。そのような場合は下肢(後足)にあるツボを刺激すると良いでしょう。自宅でもできることで、足の筋肉を揉んであげるだけですからお試しください。(ツボは特に意識しなくても大丈夫です)

翌日のメール
今朝になるとかなり状況がよくなってきたようです。昨日に比べ、しりもちをつくこともなくなり、ちゃんと立てることもできるようになりました。ただ、依然として方向転換するときや、止まるときなどに足元がおぼつかない状況です。<<省略>>動画を添付

私から返信(一部)
週1回の通院ではなく、もっと回数を増やしたほうが回復は早いのではそれは先生と御相談になったらいかがでしょう?私は早く治さなくてはいけない場合は週に2、3回程度で治療を行っています。

Q. ブログでご紹介されていた超音波療法とはどのようなものでしょうか?
医療用の超音波治療器というのが販売されています。整形外科では使っているところもあるようですが、鍼灸院ではそれほど一般的なものではありません。他にもレーザー治療器とかありますが、私は超音波は一番効果的だと比較してみて感じたので使っています。強くかけすぎると失敗することもありますので慎重にやってますが。

Q. 何分くらいどのようなマッサージがいいのか、具体的にお教えください
人が脚を揉んでもらって気持ちいいと感じるようにワンちゃんでも同じように感じるとは思えませんが、揉み方は人と同じで大丈夫です。要するに足の筋肉をつまんで、きつくない程度にモミモミすればいいのです。

★追伸
撮影されたビデオ拝見しました。歩いてきて敷物の所で右回転をしていますね。何度も見返して思ったことは、これは毛の長い敷物のせいで右前足が麻痺して垂れ下がっているために、これが軸になってしまい右に方向が変わってしまっているのではないでしょうか。。中枢性の障害で曲がろうとすると変な動きをしてしまうというようなことも考えられますが、この敷物のところで再現されるのであれば、これが原因かと推測します。私はこのような場合鍼通電によって麻痺した足を強制的に動かして治療します。今の獣医さんではこのような治療をされているのではありませんか?

★追伸
ビデオを拝見しふらつきは麻痺が原因のように思えますので足のマッサージはそれほど効果はないかもしれません。むしろ肩甲骨の間から首までの間の背骨の両脇を撫でるように毛並みに逆らわないように頭から肩の方へ圧を加えながら軽く押してあげるといいかもしれません。

卵巣摘出後に尿閉になるも鍼治療で回復

8歳ラブラドールレドリバー体重30kgエコーにて下腹部(子宮~膣上部)に大きな腫瘍が見つかり4月28日に摘出手術を受ける。その際、子宮・卵巣も摘出(不妊手術)を行う。直後から尿失禁が始まり、その後尿閉。1ヶ月ほど入院し、6月中旬に「麻布大学」、「日本獣医生命科学大学」の大学付属動物病院を受診。
そこでの診断は、カテーテルを尿道(膀胱の手前まで)に入れると排尿があった等のことから「下腹神経の末梢部分の異常または何らかの物理的な原因で尿道周囲の筋緊張が解けないため」とのことではないか?との見解。
神経の場合、修復はおよそ3~6月かかるので、そこで治るかもしれないと言われた。治療を継続するも3ヶ月間変化なし。週の半分は朝晩、尿道にカテーテルを通しオシッコを抜く。
後半はバルーンカテーテルを膀胱に留置しオシッコを出しっぱなしの状態にし、膀胱の機能回復・維持を行う治療の継続。散歩中、おしっこの姿勢で力むも、おしっこは全く出ないし排便も少しずつしか出せない状態。
大学病院では難しい症例と言われ、あるところで「鍼治療」を受けると治療直後からお散歩中にポタポタ程度出るようになったそうだが、飼い主さんの希望としては以前のように勢いよく出るようにまで回復してほしいとうのことで来院の予約が入る。
診察前に行った前医との検討通常子宮や直腸の手術後に発現する排尿困難は、神経因性膀胱の低緊張性膀胱を疑います。同時に溢流性尿失禁を伴うことが多い。中枢性のものなら、上記に合わせて利尿筋外尿道括約筋協調不全を疑いますが。
他にも、排尿するには力んで腹圧を高める必要がありますので、その辺の筋肉の麻痺も考えられるし、膀胱排尿筋の機能障害ってことで、それも否定できない?
手術直後は溢流性尿失禁があったようですが、今はこの子の場合、外から刺激してあげても、絞ろうとしても大きく太っているせいか出ないようです。膀胱がパンパンになってもほとんど出ないから、尿毒症になるか、腹腔内で膀胱が弾けるといけないのでカテーテルで強制的に排尿させているようです。
手術によって切断された細かい神経の支配していた筋肉に麻痺がおこって腹腔内の臓器や筋肉をリフトアップしていた機能が損なわれて下垂し尿道を圧迫しているということは考えられないか?膀胱周辺の筋肉が傷つけられて過緊張を起こしているのか?
原因は推測の域を出ないが、とにかく支配領域の脊髄神経刺激と下腹部のツボを使って膀胱周囲に刺激を与えるべく治療を試みてみようと思う。第一回目の治療風景治療中 気持ち良さそうに目をつぶって横になっている。腹部触診により筋緊張が見受けられる部位と1~4リョウ、陰ユ(会陰)への刺鍼後、超音波治療。結果はとてもよく尿量が治療を行うごとに増えていっている。

取材記事

フジテレビ『ペットにも癒し!?』

2009年07月12日 (Supernews Weekend) 
動物の鍼灸がTV放映される

『動物鍼灸?ペットを鍼灸で元気に!』

95号 リポート鍼灸院2
12月10日 鍼灸OSAKA(森ノ宮医療学園 出版部)発行に掲載される

トピックス 
「動物の鍼(1)ワンちゃんへの鍼」

2009年12月28日 医道の日本社
動物の鍼(1)ワンちゃんへの鍼【前半】

動物の鍼(1)ワンちゃんへの鍼【後半】

高齢ワンちゃんへの鍼治療

漢方最前線(5)2013年9月14日号 読売新聞夕刊

『ちょっと、おじゃまします』

「獣医師向けに鍼灸セミナー開催」
2013年4月10日発行 鍼灸柔整新聞

WePetの取材

WePet(ウィペット)で記事を書いているアニマルコンシェルジュの北川真帆さんの取材を受けました。 そしてなんと、2019年Wepet(ウィペット)人気記事アクセスランキングの1位になりました!その記事はこちら

【犬の鍼灸治療について】

犬の鍼灸治療って関心が高いんですね。その割には鍼灸を動物にやっている動物病院が少ない。がんばって獣医さんに鍼灸を広めなくては。