漢方薬について

漢方薬(中薬)とは、中医学の理論に従って人体の陰陽を調和させ均衡を整えることを目的として処方されます。つまり熱証であれば陽の気が過ぎた状態なので陰性の寒涼薬を用い、逆に陰性の寒証であれば陽性の温熱薬を用いて治療します。つまり病気というのは気の過不足によって生じるとされているからです。

中国最古の薬物書である『神農本草経』がありますが、これを編纂した神農は4~5千年前に存在した神とされており野山に自生する雑草などの草木を片っ端から嘗めて調べたと言い伝えられています。おそらく毒物もあったでしょうし何人もの神がいて集積され、このような偉業を成し遂げられたものと思います。

他にも漢方薬が掲載されている書物としては『黄帝内経』『傷寒雑病論』『傷寒論』『金匱要略』などがあり、東洋医学の理論体系を築いているものとして四書五経があります。つまり『論語』『大学』『中庸』『孟子』の四書と『易経』『詩経』『書経』『礼記』『春秋』の五経です。日本には600年(推古8年)ごろから遣隋使、遣唐使などによって中国医学が入ってきます。その後「中薬」を用いる中医学と日本独自の「漢方薬」と呼ばれる漢方医学の2つの考え方が存在するようになります。また現代の日本に於いては西洋薬の処方と同じように漢方薬を病名や症状だけに従って処方するやり方や漢方の生薬由来の漢方サプリなどといった民間薬のようなものまであります。

漢方薬は方剤組成という考え方を原則としています。陰陽・五行・相生相克・表裏・寒熱などの理論をもとにバランスのとれた中庸の状態になるように寒・熱・温・涼の四気をみて酸・苦・甘・辛・鹹の五味を用い君・臣・佐・使の原理に従って生薬を組み合わせて用います。

・・・このコラムは気が向いた時に書き連ねていますので途中で途切れます・・・